「言語を比べるプロジェクト」のテーマの一つ,《コピュラ文》についてのまとめ。テーマの説明と,このテーマで書いた記事の一覧を載せる。
(2023/11/23追記) 記事の前半を大幅に書き直し,「《コピュラ文》とは?」としてひとつの見出しにまとめました。
更新履歴
- 「関連記事」を追加
- 記事前半を大幅修正
《コピュラ文》とは?
ここでは,日本語なら「AはBだ」,英語なら「A is B」のような形式で,Aが何なのか,Bで述べる文を,《コピュラ文》として扱う。日本語の「だ」や英語の「is」のように,AとBを結び付ける語をコピュラと言う。
- I'm a photographer.
- 私は写真家だ。
- She's beautiful.
- 彼女は美しい。
- Tokyo is the capital of Japan.
- 東京は日本の首都だ。
コピュラ文が表す内容はとても幅広い。例文1ではAの職業を,例文2ではAの性質を,例文3では「東京」に「日本の首都」という説明を加えている。
この幅広さゆえに,どこまでをコピュラ文に含めるかという難しい問題がある。ここでは最低限の基準として,1存在を表す文は別にする,2動詞に近いものはBに入らない,ということを考える。例えば…
- I'm in Hokkaido.
- 私は北海道にいる。
- I'm from Hokkaido.
- 私は北海道出身だ。
例文4は「北海道にいる」という存在を表しているので,また別のテーマで扱うことにする。例文5は「北海道出身」というAの属性を表す《コピュラ文》である。
- She's beautiful.
- 彼女は美しい。
日本語の形容詞は,活用をするという点で動詞に近い性質を持っている。また,例文1・3・5のように「~だ」も必要としない。こういう点から,例文6の英語はコピュラ文だが,日本語はコピュラ文ではないと判断する。
補足
実際に《コピュラ文》というテーマで記事を書いているうちに,コピュラ文というものを厳密に定義するのは難しいと思った。そこで,当初書いていた記事の前半を大幅に書き直し,記述を簡略化した。
時間があれば《コピュラ文》というテーマ自体について,もっと深く考えてみたい。ただ,今考え出すとプロジェクトが進まなくなるので,今後の課題ということにする。
《コピュラ文》テーマの記事リスト
※随時更新中※(2023/11/21分まで反映)
五十音順
- 英語の《コピュラ文》
- エストニア語の《コピュラ文》
- 韓国語の《コピュラ文》
- ギリシャ語の《コピュラ文》
- グルジア語の《コピュラ文》
- スウェーデン語の《コピュラ文》
- スペイン語の《コピュラ文》
- チェコ語の《コピュラ文》
- 中国語の《コピュラ文》
- デンマーク語の《コピュラ文》
- ドイツ語の《コピュラ文》
- トルコ語の《コピュラ文》
- ノルウェー語の《コピュラ文》
- ハンガリー語の《コピュラ文》
- フィンランド語の《コピュラ文》
- フランス語の《コピュラ文》
- ブルガリア語の《コピュラ文》
- ヘブライ語の《コピュラ文》
- ポーランド語の《コピュラ文》
- ラトヴィア語の《コピュラ文》
- リトアニア語の《コピュラ文》
- ルーマニア語の《コピュラ文》
- ロシア語の《コピュラ文》
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- スラヴ語派
- バルト語派
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