トルコ語のコピュラ文「AはBだ」について書く。
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基本的なしくみ
トルコ語で「AはBだ」と言うとき,基本的にはAとBを並べるだけで良い。
- O Japon.
- 彼は日本人だ。
- Onlar Türk.
- 彼らはトルコ人だ。
ただし,Aが1人称または2人称のときは,Bに人称の付属語をつける。人称の付属語によってAの人称・数が分かるので,ben「私」やbiz「私たち」のような人称代名詞はなくても良い。
- Japon'um.
- 私は日本人だ。
- Türk'üz.
- 私たちはトルコ人だ。
人称の付属語は,前の語の最後の母音に合わせて4種類に交替する。母音調和と呼ばれる現象で,トルコ語には2種類または4種類に母音が交替するパターンがある。
人称の付属語
最後の母音 | ||||
---|---|---|---|---|
a, ı | o, u | e, i | ö, ü | |
1人称・単数 | -ım | -um | -im | -üm |
1人称・複数 | -ız | -uz | -iz | -üz |
2人称・単数 | -sın | -sun | -sin | -sün |
2人称・複数 | -sınız | -sunuz | -siniz | -sünüz |
人称の付属語をつけるときに母音が連続する場合は,間にyを挟む。
- Öğrenciyim.
- 私は学生です。
メモ1
トルコ語の正書法により,固有名詞に語尾や付属語がつけられる場合は,アポストロフィをつけてJapon'umのように書く(言語名を除く)。
その他の場合
トルコ語では,時制・疑問・否定などの各要素を,述語の後ろに置いたりくっつけたりして表す。どの場合でも,コピュラ文は「AとBを並べる」そして「Aが1・2人称のときは,人称の付属語が必要」という基本は同じ。
- Bu Türkçe değil.
- これはトルコ語ではない。
- Öğrenci değilim.
- 私は学生ではありません。
değilは否定を表す。Bの後に時制・疑問・否定などの要素が置かれる場合,人称の付属語は最後の要素の後につく。
- Öğrenci değildiyim.
- 私は学生ではありませんでした。
例文8では,değil(否定)+di(過去)+yim(人称の付属語)のように各要素がくっついている。否定文や過去形などについて詳しくはまた別記事で。
用例
現在形・肯定文でいくつか例文を書いておく。
- Ankara Türkiye'nin başketi.
- アンカラはトルコの首都だ。
- Bu ne?
- これは何ですか?
- Bu benim kitabım.
- これは私の本です。
- Bu kitap benim.
- この本は私のです。
- Öğretmenler yorgun.
- 先生たちは疲れている。
- Araba kullanmak zor.
- 車の運転は難しい。
メモ2
例文13のkullanmakは動名詞で「運転すること」。Araba kullanmak「車を運転すること」というまとまりで,ここでは主語(コピュラ文のA)になっている。
参考文献
- 『ニューエクスプレス トルコ語(CD付)』白水社,2010年,大川博