リトアニア語のコピュラ文「AはBだ」について分かる範囲で書く。基本的な言い方と,形容詞の中性形を述語とする文を取り上げる。
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基本的なしくみ
リトアニア語で「AはBだ」を表すには,動詞būtiを用いる。主語の人称・数によって以下のように活用するが,現在形ではbūtiの活用形を使わずに,AとBを並べるだけでも良い。
būtiの現在形
単数 | 複数 | |
---|---|---|
1人称 | esu | esame |
2人称 | esi | esate |
3人称 | yra | yra |
- Aš japonas.
- 私は日本人です。
- Jis lietuvis.
- 彼はリトアニア人だ。
- Čia mano skėtis.
- これは私の傘だ。
用例
少し例文を書く。
- Ar jūs esate japonas?
- あなたは日本人ですか?
- Kas čia?
- これは何ですか?
- Šis skėtis mano.
- この傘は私のだ。
- Ar čia japonų laikraštis?
- これは日本の新聞ですか?
- Šis žurnalas įdomus.
- この雑誌は面白い。
- Japonų kalba sunki.
- 日本語は難しい。
メモ
文頭にArをつけると疑問文になる(例文4)。イントネーションを変えるだけで疑問文になり,arはなくても良い。
形容詞の中性形
形容詞の中性形は不変化で,tai「それ」,viskas「すべて」,動詞不定形などが主語になる場合や,主語のない文で述語に用いられる。
- Tai įdomu.
- それは面白い。
- Viskas puiku.
- すべてが素晴らしい。
- Šiandien šalta.
- 今日は寒い。
- Man sunku kalbėti lietuviškai.
- 私にはリトアニア語を話すのは難しい。
例文13では,後ろに置かれているkalbėti lietuviškai「リトアニア語を話す」の部分が主語。「私にとって~」など意味上の主語は与格で表す(manは,人称代名詞aš「私」の与格形)。
その他の場合
動詞būtiはこのほかにも,存在「~にいる,ある」の意味や,受動文・現在完了形などの形式を作るときにも使われる。
参考文献
- 『ニューエクスプレス リトアニア語(CD付)』白水社,2007年,櫻井映子