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リトアニア語の《コピュラ文》

 リトアニア語のコピュラ文「AはBだ」について分かる範囲で書く。基本的な言い方と,形容詞の中性形を述語とする文を取り上げる。

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基本的なしくみ

 リトアニア語で「AはBだ」を表すには,動詞būtiを用いる。主語の人称・数によって以下のように活用するが,現在形ではbūtiの活用形を使わずに,AとBを並べるだけでも良い。

būtiの現在形

  単数 複数
1人称 esu esame
2人称 esi esate
3人称 yra yra
  1. Aš japonas.
  2. 私は日本人です。
  3. Jis lietuvis.
  4. 彼はリトアニア人だ。
  5. Čia mano skėtis.
  6. これは私の傘だ。

 

用例

 少し例文を書く。

  1. Ar jūs esate japonas?
  2. あなたは日本人ですか?
  3. Kas čia?
  4. これは何ですか?
  5. Šis skėtis mano.
  6. この傘は私のだ。
  7. Ar čia japonų laikraštis?
  8. これは日本の新聞ですか?
  9. Šis žurnalas įdomus.
  10. この雑誌は面白い。
  11. Japonų kalba sunki.
  12. 日本語は難しい。

メモ

 文頭にArをつけると疑問文になる(例文4)。イントネーションを変えるだけで疑問文になり,arはなくても良い。

 

形容詞の中性形

 形容詞の中性形は不変化で,tai「それ」,viskas「すべて」,動詞不定形などが主語になる場合や,主語のない文で述語に用いられる。

  1. Tai įdomu.
  2. それは面白い。
  3. Viskas puiku.
  4. すべてが素晴らしい。
  5. Šiandien šalta.
  6. 今日は寒い。
  7. Man sunku kalbėti lietuviškai.
  8. 私にはリトアニア語を話すのは難しい。

 例文13では,後ろに置かれているkalbėti lietuviškai「リトアニア語を話す」の部分が主語。「私にとって~」など意味上の主語は与格で表す(manは,人称代名詞aš「私」の与格形)。

 

その他の場合

 動詞būtiはこのほかにも,存在「~にいる,ある」の意味や,受動文・現在完了形などの形式を作るときにも使われる。

 

参考文献

  • 『ニューエクスプレス リトアニア語(CD付)』白水社,2007年,櫻井映子

 

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