ラトヴィア語のコピュラ文「AはBだ」について分かる範囲で書く。ここでは基本的な言い方と,副詞を述語とする文について書く。
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基本的なしくみ
ラトヴィア語で「AはBだ」を言うには,動詞būtを使う。būtは主語の人称・数によって活用する。
būtの現在形
単数 | 複数 | |
---|---|---|
1人称 | esmu | esam |
2人称 | esi | esat |
3人称 | ir | ir |
- Es esmu latvietis.
- 私はラトヴィア人だ。
- Tas ir apelsīns.
- これはオレンジです。
主語が1人称・2人称の代名詞の場合は省略しても良い。
用例
用例をいくつか書いておく。
- Viņš ir japānis.
- 彼は日本人です。
- Viņa ir japāniete.
- 彼女は日本人です。
- Vai jūs esat latvietis?
- あなたはラトヴィア人ですか?
- Kas tas ir?
- それは何ですか?
- Šis apelsīns ir skābs.
- このオレンジはすっぱい。
- Tās ir manas brilles.
- これは私の眼鏡です。
- Rīga ir Latvijas galvaspilsēta.
- リガはラトヴィアの首都だ。
- Japāņu valoda ir grūta.
- 日本語は難しい。
メモ
文頭にVaiをつけると疑問文になる(例文5)。
tasは指示代名詞「これ,それ,あれ」で遠いもの,近いものなどを表して広く使われる。例文8のtāsはtasの女性・複数形。一方šisは「これ,この」で近いものを指す。
副詞が述語になる文
漠然としたもの(tas「それ」など)や,動詞不定形,ka「~ということ」などが主語になるとき,述語に(形容詞ではなく)副詞を用いる。例えば…
- Tas ir interesanti!
- それは面白い!
- Ir grūti runāt angliski labi.
- 英語を上手に話すのは難しい。
- Man ir svarīgi, ka olas ir lētas.
- 私にとっては卵が安いことが重要だ。
- Šodien ir silti.
- 今日はあたたかい。
例文12・13でrunāt angliski labi「英語を上手に話す」やka olas ir lētas「卵が安いこと」などは後ろに置かれているが,これが主語である。「~にとって」を表すには与格を用いる(manはes「私」の与格)。
例文14には主語がないが,このような文でも形容詞の副詞形が述語に使われる。šodien「今日は」は時間を表す副詞。
メモ
現在形で,irは省くこともできる。例えばInteresanti!だけで「面白い!」という文になる。
その他の場合
動詞būtはこのほかにも,所有・存在を表す文に使われたり,複合時制を作る際の助動詞になったりする。
参考文献
- 『ニューエクスプレス ラトヴィア語(CD付)』白水社,2013年,堀口大樹