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英語の《コピュラ文》

 英語のコピュラ文「AはBだ」について書く。ここでは基本的なしくみと,itを使ったいくつかの文を取り上げる。

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基本的なしくみ

 英語で「AはBだ」を表すには,動詞beを用いる。基本的には「A 動詞 B」の順で,動詞はA(主語)の人称と数によって活用する。例えば現在形なら以下のとおり。

beの現在形

  単数 複数
1人称 am are
2人称 are
3人称 is
  1. I am a student.
  2. 私は学生です。
  3. She is beautiful.
  4. 彼女は美しい。

 Bには名詞(例文1),形容詞(例文2)のほか,代名詞・前置詞句・to不定詞・動名詞・that節・関係詞節など,様々なものが入る(→「用例」も参照)。

 現在形以外の場合も,動詞beを用いることは変わらない。例えば,過去形なら以下のように活用する。

beの過去形

  単数 複数
1人称 was were
2人称 were
3人称 was
  1. She was beautiful.
  2. 彼女は美しかった。

 

その他の場合

 疑問文は語順が変わり,「動詞 A B」となる。例文6のように疑問詞がある場合は,動詞の前に置く。

  1. Are you a magician?
  2. あなたは手品師ですか?
  3. Who are you?
  4. あなたは誰?

 否定文は,動詞の直後にnotを置く。

  1. That is not mine.
  2. それは私のではない。

beの短縮形

 くだけた文や会話などでは,beの活用を以下のように短縮させた形も用いられる。

am → 'm

are → 're

is → 's

 否定形では以下のような短縮形がある。

are not → aren't

is not → isn't

was not → wasn't

were not → weren't

 また,am not/are not/is notなどの短縮形としてain'tがある。

 

用例

 現在形の範囲で例文をいくつか書いておく。

  1. Tokyo is the capital of Japan.
  2. 東京は日本の首都だ。
  3. What is this?
  4. これは何ですか?
  5. He's from Germany.
  6. 彼はドイツ出身だ。
  7. All you have to do is (to) go there.
  8. 君はそこへ行きさえすれば良い。
  9. My hobby is watching horror movies.
  10. 私の趣味はホラー映画を見ることです。
  11. The biggest problem is (that) I have no money.
  12. 最大の問題はお金がないということだ。
  13. This is how he earned ten million yen.
  14. こうして彼は1000万円を稼いだ。

メモ

 例文10と例文12で,toやthatはくだけた文でしばしば省略される。

 

コピュラ文とit

 Aの位置にitが入る文がいくつかある。itは周囲の状況を漠然と表したり,補語の後ろに置かれるto不定詞やthat節などの代わりとして形式的に主語の位置に置かれたりする。

  1. It is difficult to prove the story true.
  2. その話が真実だと証明するのは難しい。
  3. It is John who stole the money.
  4. そのお金を盗んだのはジョンだ。
  5. It's terribly hot today.
  6. 今日はおそろしく暑い。

 例文15は強調構文と呼ばれるもの。例文16のような文は,天候・気温・明暗・日付・時間・距離など,実に様々な状況を表すのに使われる。

 

参考文献

  • 『ウィズダム英和辞典 第2版』三省堂,2007年,井上永幸・赤野一郎(編)

 

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