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英語の《コピュラ文》

 英語のコピュラ文「AはBだ」について,その基本的な作り方をまとめる。ここでは,動詞beを使った主語の名称・属性・状態などを表す文と,itを使ったいくつかの文を取り上げる。

更新履歴

 

基本的なしくみ

 英語で「AはBだ」を表すには,動詞beを用いる。基本的には「A be B」の語順で,Aは主語,Bは補語と呼ぶ。

 beは主語の人称・数と時制によって活用する。現在形・過去形の活用は以下のとおり。

beの現在形

  単数 複数
1人称 am are
2人称 are
3人称 is

beの過去形

  単数 複数
1人称 was were
2人称 were
3人称 was

beの短縮形

 くだけた文や会話などでは,beの活用を以下のように短縮させた形も用いられる。

am → 'm

are → 're

is → 's

 否定形では以下のような短縮形がある。

are not → aren't

is not → isn't

was not → wasn't

were not → weren't

 また,am not/are not/is notなどの短縮形としてain'tがある。

 なお,beの補語には,名詞句・代名詞・形容詞句・前置詞句・to不定詞・動名詞・that節・関係詞節などが入る(→「#用例」)。

 

用例

 用例をいくつか書いておく。

  1. Tokyo is the capital of Japan.
  2. 東京は日本の首都だ。
  3. What is this?
  4. これは何ですか?
  5. She is so beautiful.
  6. 彼女はとても美しい。
  7. He's from Germany.
  8. 彼はドイツ出身だ。
  9. All you have to do is (to) go there.
  10. 君はそこへ行きさえすれば良い。
  11. My hobby is watching horror movies.
  12. 私の趣味はホラー映画を見ることです。
  13. The biggest problem is (that) I have no money.
  14. 最大の問題はお金がないということだ。
  15. This is how he earned ten million yen.
  16. こうして彼は1000万円を稼いだ。

メモ

 疑問詞を使った疑問文では疑問詞が文頭に来るため,「B be A」のような語順になる(例文2:What is this?)。

 例文5と例文7で,toやthatはくだけた文でしばしば省略される。

 

コピュラ文とit

 Aの位置にitが入る文がいくつかある。itは周囲の状況を漠然と表したり,補語の後ろに置かれるto不定詞やthat節などの代わりとして形式的に主語の位置に置かれたりする。

  1. It is difficult to prove the story true.
  2. その話が真実だと証明するのは難しい。
  3. It is John who stole the money.
  4. そのお金を盗んだのはジョンだ。
  5. It's terribly hot today.
  6. 今日はおそろしく暑い。

 例文10は強調構文と呼ばれるもの。例文11のような文は,天候・気温・明暗・日付・時間・距離など,実に様々な状況を表すのに使われる。

 

その他の場合

 英語では,存在を表す場合にもbeを用いる。

  1. There are three books on the table.
  2. テーブルの上に本が3冊ある。

 また,進行形や受動態などを作る助動詞としても用いられる。

  1. He is watching TV now.
  2. 彼は今テレビを見ている。

 

参考文献

  • 『ウィズダム英和辞典 第2版』三省堂,2007年,井上永幸・赤野一郎(編)

 

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