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ハンガリー語の《コピュラ文》

 ハンガリー語の《コピュラ文》について分かる範囲で書く。今回は基本的な言い方のみ取り上げる。

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基本的なしくみ

 ハンガリー語で「AはBだ」を言うには,現在形ではAとBを並べるだけで良い。

  1. Ő magyar.
  2. 彼はハンガリー人だ。
  3. Ez kávé.
  4. これはコーヒーです。

 ただし,主語が1人称・2人称の場合には動詞vanの活用形が必要。現在形の活用は以下のとおり。この場合はAにあたる人称代名詞を省略できる。

vanの現在形(1・2人称)

  単数 複数
1人称 vagyok vagyunk
2人称 vagy vagytok
  1. Kínai vagy?
  2. (君は)中国人ですか?
  3. Japán vagyok.
  4. (私は)日本人です。

メモ

 ハンガリー語には不定冠詞(egy)と定冠詞(a, az)があり,基本的には特定されたものには定冠詞を,特定されないものには不定冠詞をつける。ただし,不特定なものでも,具体的な人・ものではなく概念を表している場合には不定冠詞をつけない。

 疑問文はイントネーションで区別する。

 

用例

 例文を少し書いておく。

  1. Budapest Magyarország fővárosa.
  2. ブダペストはハンガリーの首都だ。
  3. Mi ez?
  4. これは何ですか?
  5. Ez az órám.
  6. これは私の時計です。
  7. Ez a kávé keserű.
  8. このコーヒーは苦いです。
  9. Ön japán?
  10. あなたは日本人ですか?
  11. Magyar nyelv nehéz.
  12. ハンガリー語は難しい。

メモ

 例文9のön「あなた」は敬称で,初対面や目上の話し相手に対する言い方。この場合動詞は3人称単数形を使い,コピュラ文なら例文9のようにAとBを並べた言い方になる。

 形容詞は例文8・10のように述語として使われる場合は不変。名詞を修飾するときは,名詞が複数なら形容詞も複数形になる。

 

その他の場合

 過去形では主語が3人称の場合でもコピュラが必要になる。また,動詞vanは存在動詞として「いる,ある」を表すのにも使われる。

 

参考文献

  • 『ニューエクスプレス ハンガリー語(CD付)』白水社,2011年,早稲田みか,バルタ・ラースロー

 

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