ハンガリー語の《コピュラ文》について分かる範囲で書く。今回は基本的な言い方のみ取り上げる。
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基本的なしくみ
ハンガリー語で「AはBだ」を言うには,現在形ではAとBを並べるだけで良い。
- Ő magyar.
- 彼はハンガリー人だ。
- Ez kávé.
- これはコーヒーです。
ただし,主語が1人称・2人称の場合には動詞vanの活用形が必要。現在形の活用は以下のとおり。この場合はAにあたる人称代名詞を省略できる。
vanの現在形(1・2人称)
単数 | 複数 | |
---|---|---|
1人称 | vagyok | vagyunk |
2人称 | vagy | vagytok |
- Kínai vagy?
- (君は)中国人ですか?
- Japán vagyok.
- (私は)日本人です。
メモ
ハンガリー語には不定冠詞(egy)と定冠詞(a, az)があり,基本的には特定されたものには定冠詞を,特定されないものには不定冠詞をつける。ただし,不特定なものでも,具体的な人・ものではなく概念を表している場合には不定冠詞をつけない。
疑問文はイントネーションで区別する。
用例
例文を少し書いておく。
- Budapest Magyarország fővárosa.
- ブダペストはハンガリーの首都だ。
- Mi ez?
- これは何ですか?
- Ez az órám.
- これは私の時計です。
- Ez a kávé keserű.
- このコーヒーは苦いです。
- Ön japán?
- あなたは日本人ですか?
- Magyar nyelv nehéz.
- ハンガリー語は難しい。
メモ
例文9のön「あなた」は敬称で,初対面や目上の話し相手に対する言い方。この場合動詞は3人称単数形を使い,コピュラ文なら例文9のようにAとBを並べた言い方になる。
形容詞は例文8・10のように述語として使われる場合は不変。名詞を修飾するときは,名詞が複数なら形容詞も複数形になる。
その他の場合
過去形では主語が3人称の場合でもコピュラが必要になる。また,動詞vanは存在動詞として「いる,ある」を表すのにも使われる。
参考文献
- 『ニューエクスプレス ハンガリー語(CD付)』白水社,2011年,早稲田みか,バルタ・ラースロー