チェコ語のコピュラ文「AはBだ」について分かる範囲で書く。今回は基本的な言い方と,無人称文を少し取り上げる。
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基本的なしくみ
チェコ語で「AはBだ」を言うには,動詞býtを使う。býtは主語の人称と数によって活用する。例えば現在形では以下のとおり。
býtの現在形
単数 | 複数 | |
---|---|---|
1人称 | jsem | jsme |
2人称 | jsi | jste |
3人称 | je | jsou |
- Já jsem Japonec.
- 私は日本人です。
- Vy jste Čech?
- あなたはチェコ人ですか?
人称代名詞は強調・対比・自己紹介をする場面など,特定の場合を除けば省略されるのがふつう。例文2のvyは2人称・複数形だが,目上の人や初対面の人などに対する敬語として,一人の相手に「あなた」の意味でも用いられる。
用例
例文をいくつか書いておく。
- My jsme studenti.
- 私たちは学生です。
- Co je to?
- これは何ですか?
- To je můj deštník.
- これは私の傘です。
- To je japonská kniha.
- これは日本の本です。
- Tato kniha je zajímavá.
- この本は面白い。
- Tento film je zajímavý.
- この映画は面白い。
- Praha je hlavní město Česka.
- プラハはチェコの首都だ。
メモ
形容詞は名詞を修飾するときも,述語に使われるときも,関係する名詞の性・数に合わせて変化する(例文6~8)。
無人称文
チェコ語には主語のない文があり,例えばbýt+副詞で天候や気温を表したりできる(用語が分からないので,とりあえず無人称文と言っておく)。
- Dnes je teplo.
- 今日は暖かい。
- Každý den je zima.
- 毎日寒いです。
ここではdnes「今日」やkaždý den「毎日」は主語ではなく,teplo「暖かい」やzima「寒い」は形容詞に由来する副詞。
参考文献
- 『ニューエクスプレス チェコ語(CD付)』白水社,2007年,保川亜矢子