このブログで用いるベンガル文字のラテン文字化について書く。当ブログでベンガル文字をラテン文字に変換する場合は,以下の方法に従う。
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ベンガル語
ベンガル語の場合は,発音をラテン文字へ転写する。ベンガル文字とラテン文字の対応はだいたい以下のとおり。
母音の転写
অ
ô, o
আ
a
ই
i
ঈ
i
উ
u
ঊ
u
ঋ
ri
এ
e, ê
ঐ
oi
ও
o
ঔ
ou
ঋ(ri)は子音+母音の組み合わせだが,伝統的に母音字として扱われる(次の母音記号でも同じ)。
母音記号
কা
ka
কি
ki
কী
ki
কু
ku
কূ
ku
কৃ
kri
কে
ke, kê
কৈ
koi
কো
ko
কৌ
kou
অ(ô, o)以外の母音には対応する母音記号があり,子音字につけて使う。例として,ক(k)に各母音記号をつけて挙げた。
子音の転写
ক
k
খ
kh
গ
g
ঘ
gh
ঙ
ng
চ
c
ছ
ch
জ
j
ঝ
jh
ঞ
ñ
ট
ṭ
ঠ
ṭh
ড
ḍ
ঢ
ḍh
ণ
ṇ
ত
t
থ
th
দ
d
ধ
dh
ন
n
প
p
ফ
ph
ব
b
ভ
bh
ম
m
য
ɉ
র
r
ল
l
শ
š, s
ষ
š, s
স
š, s
হ
h
ড়
ṛ
ঢ়
ṛh
1対応するラテン文字が複数ある場合は,語によって使い分ける。
2母音記号のつかない子音字は潜在母音をもっており,ôまたはoのどちらかで発音されるか,発音されない。発音される場合のみôまたはoで転写する。
পথ(pôth)
「道」
দেহ(deho)
「体」
3子音字য়は,母音記号がつかないときeまたはoと発音され,母音記号がつく場合はその母音のみの発音になる。
বয়স(bôeš)
「年齢」
খাওয়া(khaoa)
「食べる」
4チョンドロビンドゥ(ঁ)がついた字母は,母音にチルダをつけてãのように転写する。鼻音化した母音を表す。
পাঁচ(pãc)
「5」
ইঁদুর(ĩdur)
「ネズミ」
5ジョフォラ(্য়)は,語頭の子音につく場合は母音eを表す。それ以外の位置では促音を表し,直前の子音を重ねて表記する。
ব্য়থা(bêtha)
「痛み」
শূন্য়(śûnno)
「0」
6ビショルゴ(ঃ)は,語末ではḥで転写する。それ以外の位置では促音を表し,直後の子音を重ねて表記する。
বাঃ(baḥ)
「わあ(感嘆詞)」
দুঃখ(dukkho)
「悲しみ」
7オヌッショル(ং)はng,コンド・ト(ৎ)はtでそれぞれ転写する。
বাংলা(bangla)
「ベンガル語」
যাবৎ(ɉabot)
「~まで」
複数の発音が認められる場合,少なくとも当ブログ内ではどちらかの発音に統一するようにする。
参考文献
- 『ニューエクスプレス ベンガル語(CD付)』白水社,2011年,丹羽京子
- 「Bengali alphabet - Wikipedia」2023/11/25閲覧